15/08/05 19:56:55.52 GsDMaqTW0.net
相手がチョップを喰らっていればハンマーも入る。ガードしていた場合、ハンマーもガードすることになる。
ハンマーをガードした場合、いずなには十二分の一秒ほど動けない時間が発生する。そのわずかな時間でレバー一回転の必殺技『メガトンボム』を入力する技術が浩介にはある。
ハンマーをガードさせた隙に投げを決める。コレが浩介の狙いだ。
ヒガンテが注意深く、近づいていく。
手裏剣を時にガードし、時にパリイングしながら距離を詰める。
いずながこちらの意図を汲み取ったのか、ジャンプして手裏剣を撃つのをやめ、低い姿勢を取り、直後残像を残しながら高速でこちらに向ってくる。
「いいよ。接近戦、受けて立とうじゃん」
そういう声が、いずなから聞こえた気がする。
これだ、これなんだよ。
浩介は思った。いや、思っているような時間はない。
漠然とそう感じているというのが正しい。
顔も見ていない、声すら聞いたことが無い相手の考えていることが、画面を通して伝わってくる。
会話もしていないのに、相手の考えていることがわかる瞬間。
浩介はその時、たまらなく楽しい気分になる。
相手をぶちのめすゲームをしているのに、相手とわかりあうことが楽しい。そう思う自分は変わっているのかもしれない。