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８０年代、カール・ルイスがオリンピックで9.99で金メダル。
その時実況は、「9秒99！21世紀に入った！」と絶叫した。
その後、大きな記録更新はなく、ドーピング問題が話題になった。
そして彼の登場だ、ウサイン・ボルト。
彼が叩き出した9.58はおそらく、数十年いや、百年破られないかも知れない。
この記録は、棒高跳びで6mを跳び、世界からひとり突き抜けていたブブカのようなもの。
ブブカの記録は当時、21世紀の記録と言われていたのと同じように、正に22世紀の記録だ。
つまり、ブブカやボルトは突然変異的に生まれた記録と言える。
先ほど終わった世界陸上ハンガリー大会において行われた、男子100m決勝。
これは人類史上最もレベルの高かった徒競走だった。
2位から4位までが9.8秒。
写真判定によりミリ単位までの差を判定し、4位の選手はメダル無しだ。
更に決勝に進んだ8人の内、5人が9秒台というのも凄い。
6位は日本代表のサニブラウンで10.04秒。
準決勝で9.7秒で走っていただけに、悔しさもあっただろうが、5位の選手が9.92秒だったことを考えると、納得しなければならない結果だろう。
とにかく、ボルトなき後、新たな時代に突入したレースだったことは間違いないだろう。