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規格大量生産のための思想統一
第三は、文化創造活動を東京へ集中させたことです。その方法として、特定目的の文化施設は東京に集中、他所には造らせない、と決めたのです。例えば歌舞伎専門劇場などは東京以外に造らせない。
では、東京以外はどうするかというと、多目的ホールを造らせた。それしか補助金を出さないというわけです。
これは、ナチスが考えたトータル・テアトール(全体劇場)の思想です。
全国どこでも同じ形の劇場を造ることで、統一文化を普及しようとしたわけです。それを日本も昭和16年に受け入れ、戦後もずっと守ってきたわけです。
音楽でも同じことをしました。美術館や体育館でも同様です。
群れを離れることへの恐怖感が集中に繋がる
なぜ、これほどまでして東京一極集中をしたのか。それも規格大量生産のためです。全国の商品規格を統一するためには情報と文化の統一が必要です。
私が通産省に入った1960年頃は、これを徹底して教育されました。
展示会もファッション・ショーも東京以外にやらせちゃいけない、
東京以外にやらせたら商品規格が守れなくなり、国を亡ぼすよ、と盛んにいわれたものです。
結局、人間を没個性化し、商品の規格を標準化し、思想や情報を統一する。
それが日本が規格大量生産型の近代工業社会に成功した所以ですが、多様な知恵の時代になった今も、個性と独創性が出てこない原因になっています。
日本の将来を展望するとき、これは非常に重大な問題です。