16/06/19 16:11:19.75 O.net
【山根、渡世の道へ 2】
『おひかえなすって!』
自宅で何度も練習してきた仁義をきった。
組員は目を丸くする。
ソファーに座って新聞を広げたままの組員もキョトンとしている。腹を括った山根は続ける。
『おひかえなすって!チガッ…早速のおひかえありがとうございやす!』山根は懐から履歴書を出し、右手に携えながら仁義を切る。組員は段々と真顔なっていく。
『おひかえ…チガッ…手前、生国発しますは』
『ガンッ!』ヤクザキックが山根に直撃。しかし山根は諦めない。
『おひか…手前、しょっ』『バクッ!』ストレートが飛んできた。
『コッ…これぇ!根性焼きぃい…』手の甲を見せるがそれさえも腕を蹴り上げられる。そこで山根ははっきりと
『なんでもないです。ごめんなさい』
一目散に走る山根。つけられてないか、何度も振り返り遠回りをしながら帰宅した。
・・・その夜、健一はママが作ったオムライスを食べながら何がダメだったか自問自答した。結果『角刈りじゃなくてパンチパーマだったかぁ。次はパンチにして違う事務所だね』と納得して、ねるとん紅鯨団を観て寝た。
ちなみに再観賞したのは【男はつらいよ】
寅さんのジャケット柄の着流しを着た為、レレレのおじさんみたいになっていた健一であった。