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３代目山口組が関東進出の足がかりとして選んだのは、横浜だった。
首都圏進出の前進基地を設けるのが狙いだったと云われている。
昭和３５年、神戸の山口組直系である【井志組・井志敏雅組長】の一派が、山下町の南京街（現・中華街）に進出した。
昭和３６年１２月には、菅谷組の配下が進出して【菅谷工業横浜支部】の看板を掲げ、
昭和３７年２月になると、井志組が横浜支部を設けて本格的に根をおろした。
そして同年６月、「山口組関東進出の切り札」として横浜に乗り込んだのが【益田組・益田佳於組長】であった。
こうした山口組の相次ぐ進出に対し、横浜をシマとしていた【錦政会（稲川会の前身）】との対立が深まり、緊張した空気になった。
昭和３８年２月、田岡３代目と【東声会・町井久之会長】との兄弟盃が交わされ、山口組の東京進出の準備が整いつつあった。