15/10/31 05:46:44.38 0.net
名媒酌人と呼ばれた義信会 津村和磨会長の声が響き渡る。
「弟となられます方は、その盃を一気に飲み干し、懐中深くお収め願います。どうぞ」
ここは、兄弟の契りを交わす盃事の会場。
弟となるのは山口組心腹会の尾崎彰春会長、住吉連合会の西口茂男会長、東組の東清総長である。
兄は丸山組和久井会の和久井一朗会長だ。
三名は盃を飲み干すと、媒酌人に言われるまでもなく和久井会長の近くに寄り「兄貴、よろしくお願いします」と頭を下げた。
この盃事に政治的な意味合いは無い。
純粋に男として惚れた和久井会長に、三名が盃を受けたというだけである。
山口組の竹中正久四代目組長や、稲川会岸本一家の岸本卓也総長、波谷組の波谷守之組長も、かつて和久井会長からの盃を希望したという。
それほどまで斯界の大物を惹きつける和久井会長とは、一体どんな人物なのだろう。
極端に表舞台に出るのを嫌い、任侠道に邁進してきた和久井会長の素顔に迫ってみたい。
まず初めに断っておくが、和久井会長はこれまで表舞台に出ることは一切避けてきた。
義理事の状で「和久井一朗」の名を書き連ねたいのはどの組織でも同じで、この上ない華を添えることになるだろう。
しかし和久井会長は、義理事ですらも存在を見せなかった。
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