15/10/31 05:39:20.52 0.net
「うちの若い者が、五郎の葬式に行ったときですが」
最後の大物親分と呼ばれる老侠が、静かに語り出した。
『五郎』とは山口組の渡辺芳則五代目組長である。
話の続きを紹介しよう。
「山菱の人間が居なかったそうなんです。どうやら上の者からの指示だったみたいでね」
事実、五代目の本葬儀には現役直参は姿を見せていない。
「人が人を弔うのを止める。そんなことが山菱では罷り通っているのかと腹立たしくなりました。なので話を聞くため山健の井上君をうちに呼びました」
井上組長は事情を詳しく紹介したそうだ。
取材に答えていただいていた老侠は、三代目丸山組和久井会の和久井一朗会長である。
堅気である取材班には存分に優しく接していただいているが、隠しきれないオーラと貫禄に圧倒されそうである。
その和久井親分に呼び出された井上組長はどのような気持ちだったのか、我々には察することすらできない。
ここから先は和久井会で本部長を任されている藤川昭紀氏が答えてくださった。
「井上さんは本望ではないというのは分かりました。ただうちの親分は高山さんと橋本さんのことを快く思ってないことはお伝えしました」
すると後日、山口組の使者が大量の現金を手に和久井会の事務所を訪れたそうである。
もちろん受け取る謂れのない金であり、玄関先で突き返したとのこと。
このことは和久井会長の耳に入れるまでもなく、和久井会の執行部が動き出した。
「要は金やるから何も言うなということでしょう。そんなうちの親分を舐めてるようなことをされると、我々も黙っているわけにもいきません」
そしてまた、和久井会執行部の指示がある前から、和久井会の部隊は動き出していた。
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