03/08/07 20:04
左右の抵抗差は、第1に誘導抵抗の大小、第2に旋回経路差(速度差)による。
さてまず誘導抵抗から。
これは上でも誰かが書いている通り、ほぼリフトの2乗に比例する。
(正確に言えばCLとαの積だが、通常領域ではCLそのものとαが単純比例関係にあると近似できるので、2乗で良い)
つまり揚力を生み出せば生み出すほど級数的に抵抗が増加する。
余談だが、戦闘機が莫大なパワーのエンジンを搭載するのは、まさに急旋回時の膨大な誘導抵抗に対抗する為である。
最大スピードを狙っている訳ではなく、垂直になるようなバンクの中で連続旋回しても、その猛烈な抵抗に対抗する為である。
戦闘機の機体デザインとは決してスピードを狙ったものではなく、いかに急旋回出来るかという事が主眼。
故に、戦闘機のMAXスピードとは、「結果的」に到達するで「あろう」速度であって、例えばSR-71偵察機のような「連続速度」とは意味合いが異なる。
さて、これで判るとおり、わずかでも揚力を増加させると、その2乗で抵抗が増えてしまう。
故に例えば左ロールさせる為に、左翼のリフトを増加させたとすると、自動的に2乗の抵抗増がもれなくプレゼント。
ではどのように左翼のリフトを増加させるかというと、エルロンを下げて、いわば左翼のキャンバーが増加するように「変形」させる。
すると左翼のCLが増加する事になる。
ご存知の通り、リフトはCL、AOA、速度の2乗の積である。
ロール開始の瞬間においてはAOA、速度は左右翼とも同一であり、エルロンの上げ下げによる左右のCLのみ違いがある。
そして、このCLからの誘導抵抗が際立った差となって左右に発生する。