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しかも、そんな混乱の中、原発から約20キロ離れた“前線基地”から、さまざまな指示が出され、
現場はさらに大混乱になったのである。
「無線の状態も悪く、アラームが鳴り、よく聞き取れない。そんな中、現場を知らない前線基地から
方針変更がたびたび出されたのです。ハイパーレスキュー隊はコンビナート火災などに備えて訓練していて、慣れている。
現場に着いて、海から300メートルのホースをつなぐ最短ルートが無理だと分かった。800メートルに変更したら、
それをさらに2キロぐらい遠回りするように指示されました。放水時間も『やれやれ、長く続けろ』という指示が飛んだ。
長く続ければ安心するからでしょう。もちろん、消防隊だって、できるだけ続けるつもりでしたが、現場には現場の判断がある。
機械も休ませなくてはならない。現場の合理性があるのに、ただやれと言われても困るわけです」
結局、4時間放水の予定が7時間になり、2台ある放水塔車のうち、1台のディーゼルエンジンがトラブルを起こした。
「軍隊と一緒で、命令されればやります。しかし、参謀本部が全体を俯瞰(ふかん)して状況を判断したうえで、
命令を出していたのかどうか」
猪瀬氏は、戦争中、兵站(へいたん)の準備もないまま突入させた参謀本部を思い出したというが本当だ。
菅政権の“不手際”はこれだけではない。ハイパーレスキュー隊の放水の後、現場には地上58メートルから
ピンポイントで放水できるドイツ製の生コン圧送車が登場した。三重県四日市市の建設会社などが提供したものだが、
多くの人はこういうものがあるなら、なぜ、早く投入しなかったのか、と思ったものだ。
対策本部は知らなかったのである。圧送車の存在は早くから、ツイッターなどで飛び交っていたのに信じられない失態だ。
本来であれば、事務次官会議などで、役人が情報を出し合う。調達できる最良の機器を投入し、
一刻も早く、危機を脱出するために知恵を出し合うものだ。菅政権はこうした情報交換すら機能不全なのである。
「今度の震災で菅政権は6つもの対策本部を立ち上げています。本部長は菅首相で、
枝野官房長官や海江田経産相を副本部長にしている。大本営がこんなにたくさんあったら混乱します。