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◇「知りたい情報後回し」
【ローマ藤原章生】「日本の政府当局や東京電力、専門家は放射能汚染の危険を過小評価
している」--。福島第1原発事故で、東京は危険とみて大阪を拠点に報道しているイタリア
国営放送RAIの特派員アレッサンドロ・カッシエリさん(50)は毎日新聞の電話取材に
「日本人はイタリア人と正反対で、政府情報を信用し過ぎる」と話した。
東日本大震災発生直後に初来日したカッシエリさんは、イタリア外務省やRAI本社から
「東京に危険が迫るかもしれない」と言われ16日に大阪に移った。イタリア有力紙の
記者たちも大阪にいる。
カッシエリさんは「放射性物質の汚染情報が毎日出てくるが、発表は遅い。原子炉内で
何が起きているかについても、政府はパニックを防ぐためなのか、真実を隠しているか公表を
遅らせているとしか思えない」と語った。
日本メディアの報道にも不満があるという。「(政府や原発関係者が)問題を低く見積もる
のは日本だけでなく世界の慣習だ」と断りながらも、「特にテレビがひどい。感動や希望話を
前面に出し、世界が知りたい事故や汚染の状況は後回しの感がある」と指摘した。
▽毎日新聞
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