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政府は23日、東京電力の福島第1原子力発電所の事故に伴う周辺住民らへの
損害賠償について、「原子力損害賠償法(原賠法)」の規定に基づき、国も負担する
方針を固めた。避難地域が広範囲に及び、民間企業の東電だけでは負担できない
と判断した。ただ同法の規定では国の負担は最大2400億円にとどまる。放射性物質
(放射能)が拡散し、農作物の出荷制限が広がり、風評被害を含め賠償額は数兆円に
上るとの見方もあり、国が全額を負担する同法の「例外規定」の適用が必要になる
可能性もある。一方、三井住友銀行など大手行は、月内にも最大2兆円の緊急融資を
行う方向で検討に入った。
原賠法の対象は、避難と屋内退避指示が出た30キロ以内の約22万人の住民の
ほか、企業や風評被害の農家なども含まれる。
原賠法は、原発や関連施設での事故による損害賠償について、電力会社と民間保険
による原則全額負担を定めているが、地震や津波などの自然災害の場合は、1事業所
当たり1200億円までの国庫負担が認められている。政府は、福島第1、第2原発に
適用すれば、計2400億円を支出することが可能と判断した。同法に基づく国の
負担措置は初めてとなる。
ただ、農産物の出荷停止の範囲や規模は増大しているほか、他の農畜産物や
漁業にも損害が出るのは確実で、損害額は「計算していない」(枝野幸男官房長官)
と見通しすら立たないのが実情。同法では戦争や社会的争乱などによる事故は、
全額を国が負担する例外規定がある。政府は「今回は適用されない」との立場だが、
法解釈による例外適用のほか、法改正や新法も視野に入れているもようだ。
一方、緊急融資は、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行の
3メガのほか信託銀行や大手生保も参加する方向。東電は、運転資金のほか、
原発事故の復旧費や電力不足に対応した設備投資費で多額の資金が必要なためだ。
政府も「危機対応融資」を活用し、政府系金融機関を通じた融資を検討している。
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
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