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東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市で、津波に流された5隻以上の大型漁船が市街地を広範囲に動き回り、
建物被害を拡大したことが、東北大学の今村文彦教授(津波工学)の現地視察で分かった。船の漂流で建物を
破壊する被害は、2004年のインド洋大津波でも発生し、同市でも防御策を検討していたが、大がかりな施設が
必要で実現していなかった。
大型の漁船による被害が目立ったのは、気仙沼湾の湾奥にある鹿折(ししおり)地区。80メートル前後の
大型漁船が数隻、最も港から離れた船は港から1キロ離れた住宅街に打ち上げられていた。船が通ったと
みられる場所は、通常は津波では破壊されない鉄骨造りの建物も完全に破壊されていた。
鹿折地区では、船で建物が破壊された幅数十メートルの線が、何本も走っていることが確認できた。
高さ5メートルほどの津波に乗って船が動き回ったらしい。市によると、船の火災も起こり、家屋の火災を
誘発したという。
漂流する船の被害はインド洋大津波のときに、インドネシアのバンダアチェで発電船が港から2.5キロ離れた
住宅街まで流された被害で広く知られるようになった。漂流する船が、津波から避難するビルを壊す恐れも
指摘されていた。
北海道釧路市では、船が市街地に入ったり、引き波で車が流出したりするのを防ぐ柵「津波スクリーン」を
港の周辺に設置しており、気仙沼市も対策を検討していた。市の防災担当者は「気仙沼港には遠洋で
漁をする大型船も多く、漂流対策には大がかりな設備が必要なため、実現が遅れていた」と話す。
今村さんは「複数の大型船が被害を拡大したのは災害史上でも初めて。全国的にも今後の対応が急務だ」と話した。
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