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入院患者に被ばく者が出たと報じられた双葉厚生病院に向かったが、ここも無人。玄関には
患者を運び出したとみられるストレッチャーが何台も放置され、脱出時の慌ただしさがうかがえた。
地震で倒れた医療機器や診療器具が散乱。消毒薬の臭いが漂う。
原発から約3キロの同病院前でも測定器の針は100マイクロシーベルトで振り切り、上限に
張り付いたまま。そこで1000マイクロシーベルト(1ミリシーベルト)まで測定できるガイガー
カウンターを取り出したが、これもガリガリガリと検知音を発し、瞬時に針が振り切れた。
「信じられない。怖い」。私は思わず声に出していた。
放射性物質の違いにより同列に論じられないにしても、これまで取材した劣化ウラン弾で破壊された
イラクの戦車からも、今も人が住めないチェルノブイリ原発周辺でも計測したことのない数値だった。
放射能汚染地帯の取材経験が一行の中で最も多い広河さんも信じられない様子。
「これから子どもをつくろうと思っている人は、車から降りない方がいいかもしれない」と真顔で言った。
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