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★国、住民の被曝予測公表せず 研究者らが批判
住民の被曝(ひばく)量や放射性物質が降る範囲の予測を国が公表していないため、研究者らから批判が出ている。
文部科学省が委託した機関が1時間ごとに計算し原子力安全委員会に報告しているが、国は「データが粗く、
十分な予測でないため」と説明している。
予測システムはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)と呼ばれる。原子力安全技術センター(東京)が、原発の位置、
放射性物質の種類や量、放出される高さ、地形などを元に、最新の風向きや風速のデータを加えて計算。日本全域を
250メートル四方に区切り、それぞれの場所にすむ人が吸入などで被曝する量を予測する。
同センターによると、11日の地震発生約2時間後から、東京電力・福島第一原発について計算を始めた。
放射性のヨウ素や希ガスについて、放出量の見積もりを何段階かに変化させて計算。1時間ごとに2時間後までの
被曝予測データを、原子力安全委員会に報告しているという。
原子力安全委員会事務局は「放射性物質の種類や量、放出時間などの推定が粗いので、避難などの判断材料としては
使っていない。その状況なので軽々しく公表できない」と説明している。
一方、長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「条件がすべてそろわないと予測できないというのはおかしい。
国は持っているデータをすべて公開することが大事だ。根拠をもとに住民と相談して、対応を決めるのが原則ではないか」
と話している。
福島第一原発から出た放射性物質の拡散予測について、米原子力規制委員会(NRC)は「あくまで推定で、
実際とは異なるかもしれない」と注釈つきで公表。米国はこれらを参考に原発から半径80キロメートル以内にいる米国人に
避難を勧告した。また、フランスやオーストリアの研究所なども拡散する様子の動画をホームページなどで公開している。(木村俊介)
▽ソース 朝日新聞(asahi.com) 2011年3月21日23時45分
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