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効果的な人道支援を行うのに、国境や官民、軍の立場の違いなど言っている場合ではない。
しかし、ここぞとばかりに軍の貢献を宣伝するとは、どういう神経なのか。
東日本大震災への米軍の災害支援に絡めて、在日米軍が普天間飛行場の「地理的優位性」や在沖海兵隊の存在意義などをアピールしている。
強い違和感を覚える。 在沖米総領事館は、沖縄から基地従業員を含む海兵隊所属の約480人や普天間、嘉手納両基地所属ヘリ、
第31海兵遠征部隊の兵員2200人が災害支援で被災地へ向け派遣されたと発表した。
未曽有の大震災に伴う死者や行方不明者の捜索、被災者救援は急務だ。
原発事故に伴う放射能への被ばくリスクがある地域で救援に取り組む人々には敬意を払いたい。
しかし、災害支援は売名行為ではない。人道上の見地から本来、見返りを期待しない、崇高な精神でなされるべきものだろう。
在沖米海兵隊は「普天間基地の位置が、第3海兵遠征軍の災害活動に極めて重要であることが証明された」
「普天間基地が本土に近いことは極めて重要」と普天間飛行場の地理的優位性を強調する。
悲しみに打ちひしがれる死者・行方不明者の家族や被災者への配慮はないのか。そもそも近傍の基地ではなく、
被災地から遠く離れた普天間基地がなぜ重要なのか。地震発生から3日経ての出動なのに「即応」でもあるまい。
米軍の説明は、独り善がりで筋が通らない。政治的打算に基づく言動は、
県民、国民の米外交に対する信頼回復にとって、かえってマイナスだろう。
「沖縄はごまかしとゆすりの名人」などと差別発言をして更迭された米国務省のケビン・メア前日本部長を
東日本大震災の日米間の調整担当に充てたのも不可解だ。
ソース 琉球新報 社説
URLリンク(ryukyushimpo.jp)
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