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富士を目指して攻め寄する、大船小船あめの船、赤鬼青鬼黒鬼や
おろち悪狐を先陣に、寄せ来る敵は空蔽(おお)い、海を埋めて忽(たちま)ちに
天日暗くなりにけり、折(お)しもあれや日の国に、一つの光現れぬ、目にうつるは何事ぞ
攻め来る敵の大将の、大き光と呼応して一度にドッと雨降らす、火の雨何んぞたまるべき
まことの神はなきものか、これはたまらぬともかくも、生命あっての物種(ものだね)と
兜(かぶと)を脱がんとするものの、次から次へと現れぬ、
折しもあれや時ならぬ、大風起こり雨来り、大海原には竜巻や
やがて火の雨地(くに)震(ふる)ひ、山(富士山)は火を吹きどよめきて
さしもの敵も悉(ことごと)く、この世の外にと失せにけり。