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東日本大震災、これに伴う東京電力福島第1原子力発電所の放射能漏れ…。これにより日本が直面している危機を
菅直人首相は本当に理解しているのか。なぜ速やかに非常事態宣言を出し、自ら「未曾有の国難」と呼ぶこの事態に
立ち向かわないのか。
「何とかこれ以上の放射線漏洩(ろうえい)の拡大を防ぐように、全力を挙げて取り組んでいる」
首相は15日午前11時に発表した「国民へのメッセージ」でこう強調し、福島第一原発から半径20~30キロ以内の住民に
屋内退避するよう呼びかけたが、2、3号機周辺で400ミリシーベルトという異常な放射線量が検出されたことには
一切触れなかった。
この放射線量がどれほどの危険性があり、今後どのような影響があるのか。これこそが国民にとってもっとも重要な情報だが、
首相は記者団に問われても「一つ一つがどうだという話は東電から報告する」と答えなかった。
これでは国民の不安を解消するどころか、かえってあおるようなものではないか。
地震発生当初から、首相は当問題をいかに解決し、収拾を図るかよりも、国民にいかに自らをアピールするかを
優先させてきた。
地震発生翌日の12日午前に急遽(きゅうきょ)現場を視察したいと言い出し、第1原発を訪問。本来放射線漏れなどの
対策に専念すべき東電幹部や現場担当者らは、首相への応対に追われた。
これに懲りず、首相はその後も被災地視察を希望し、「かえって迷惑をかける」と周囲に引き留められた。
首相官邸で国民のために重大決断を下すことが首相の仕事であることを理解していない。
首都圏などで大混乱を巻き起こした計画停電に関しても東電の社長が13日午後6時すぎに発表する予定だったが、
首相は「私が発表したい」と言いだし、国民への周知は2時間も遅れることになったという。
>>2以降に続く
(阿比留瑠比)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
福島第1原発の爆発事故を受けて記者会見に臨む菅直人首相=15日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)