04/02/27 16:25
民衆の視点から日本中世史をとらえ直す独自の研究で知られた歴史家で元神奈川大特任教授の
網野善彦(あみの・よしひこ)氏が27日午前、東京都内の病院で死去した。76歳。
山梨県出身。自宅は東京都練馬区関町南4の5の31。葬儀・告別式の日取りは未定。
東大文学部卒。都立高校教諭、名古屋大助教授、神奈川大特任教授などを歴任。
日本常民文化研究所を足場に、従来の歴史学が軽視してきた遍歴職人や芸能民、
漁民ら非農業民に着目。独自の社会史研究で注目を集めた。
通説にとらわれない考察は、中世における自由と平等の問題を追究した「無縁・公界・楽」、
中世の天皇の支持基盤を再検討した「日本中世の非農業民と天皇」などに結実。
それまでの歴史学に見られた天皇を頂点とする国家像や稲作中心の単一民族観を根底から問い直した。
民衆の具体的生活に即した歴史観は“網野史学”と呼ばれ、1980年代に中世史ブームを
起こすとともに、故隆慶一郎氏の小説やアニメ映画「もののけ姫」などのモチーフにも影響を与えた。
著書は「無縁・公界・楽」「異形の王権」「歴史を考えるヒント」など多数。
「日本の中世」「日本の歴史」などのシリーズで編集委員を務めた。
[産経新聞](02/27 16:17)
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歴史家、元神奈川大教授の網野善彦さんが死去
URLリンク(www.asahi.com)