03/12/08 07:06
★HIV感染:報告の4倍、推計1万2千人 厚労省研究班
性的接触などによるエイズウイルス(HIV)感染者数が、厚生労働省への報告
件数の約4倍の約1万2000人に達する可能性のあることが厚労省HIV研究班
動向解析グループ長の橋本修二・藤田保健衛生大教授(衛生学)らの推計で
分かった。日本は先進国では珍しく新規感染者・患者が増え続け、爆発的な増加も
懸念されているが、将来的な感染者数予測を見直す必要が出てきた。このため、
厚労省は「より確度の高い推計が必要」として専門家による作業班を発足させ、
将来予測の基となる動向調査システムの抜本的見直しを始めた。
HIVに感染してからエイズを発病するまでは平均10年とされる。その間に特異な
症状が出ないことが多いため、感染に気付かず、検査を受けないケースも多い。
橋本教授らは、エイズを発病して初めて厚労省の発生動向調査に報告される
エイズ患者数に着目。世界保健機関(WHO)が公表している、治療しないまま
エイズを発病する確率などを基に、感染経路別(血液製剤感染は除く)に未報告
感染者数を推計した。
01年末の数字で試算したところ、異性間の性的接触による男性の感染者は6人に
1人しか報告されていないとみられるなど、同年末までの日本人の全報告者数
2915人に対し、実際は4倍の約1万2000人が感染しているとの結果を得た。(中略)
日本の感染者は2010年に5万人に達すると予測されており、11月に発表された
03年の国連エイズ合同計画(UNAIDS)の報告書も日本の感染者増加を警告している。
橋本教授らの推計はこの予測にも見直しを迫ることになりそうだ。
毎日新聞 URLリンク(www.mainichi.co.jp)