03/12/03 18:08 mebt0CF2
首相の靖国参拝はなぜいけないのか。理由は簡単です。
靖国神社には、戦争犯罪人として処刑され人びとが神様として
祀られているからです。中国をはじめ日本軍に侵略されたアジアの国々には、戦争の傷痕のいえない人びとがまだたくさんいます。
そうした人びとにとって、自分たちに塗炭の苦しみを味合わせた国の
最高責任者(A級戦犯)たちが神様として祀られていることだけでも
不愉快でしょう。それを、当の加害国の長たる首相が拝むとなれば、
はらわたが煮えくり返る思いをしても不思議はありません。日本の戦争責任
はまだケリはついていません。そのほんの一例をあげましょう。
いま東京地裁で、日中戦争のとき、山西省で日本軍にレイプされた女性
10人が原告となって日本政府を相手に謝罪と賠償を求める民事訴訟を
起こしています。4月に結審の予定です。「中国における日本軍の性暴力の
実態を明らかにし、賠償請求裁判を支援する会」という市民グループは、
現地に入って綿密な聞き取り調査を行っています。近く、
その調査をまとめた本が創土社から刊行されます。タイトルは
『今こそこの思いを!―大娘(ダーニャン)たちの戦争は終わらない』。
戦争が遠い過去の話だと思われている方は、ぜひご一読ください。
戦争犯罪について、日本人のほとんどが忘れていることを一つ補足して
おきましょう。戦後、米・英・豪・国民政府からなる連合国の
BC級戦犯法廷では、5690人が裁かれ、死刑971人、
終身刑479人の判決を受けました。異国の地で処刑された人たちの
なかには、本当は無実だった人や単に部下の責任をかぶっただけの人も
いました。それらの悲劇をテーマにした、故・結城昌治さんの傑作
『軍旗はためく下に』は涙なしには読めません。
これにたいして中華人民共和国のBC級戦犯法廷では1062人が裁かれ、
死刑・終身刑ゼロ、無罪1017人。被告のほとんどは、
犯罪行為が証明されたにもかかわらず、「裁判にかける人数は少なくせよ。
死刑と無期懲役はやめよ」との政府の指示もとづいて無罪となり、
帰国することができました。共和国は実に寛大でした。しかし日本は
その後25年間も中国敵視政策を続けたのです。