08/09/03 23:14:26
★対立軸は経済戦略 自民総裁選
福田首相の退陣表明に伴う自民党総裁選は、麻生幹事長が立候補を表明し、支持固めに入った。
構造改革路線の堅持を唱える中川秀直・元幹事長らは対抗馬の擁立を探っており、
総裁選は経済政策を巡る路線を対立軸に展開する様相も示している。
中川氏が所属する最大派閥の町村派内も、こうした構図のもと、分裂含みとなっている。
●「景気優先」麻生氏支持固めへ／「構造改革派」小池氏浮上
麻生氏は２日の記者会見で、「『約１年、いろいろ詰めてきた仕事を実効あらしめるように
してもらいたい』という話が（首相から）あった。首相といろいろ話をさせて頂いた私としては
受ける資格がある」と、強い意欲を示した。
麻生氏は公約の準備を進めている。麻生派では２日、中馬弘毅・元行革相や森英介衆院議員らが
集まり、党内情勢を分析した。
麻生氏は安倍前首相の退陣に伴う昨年９月の総裁選で福田首相に敗れて以降、地方に再三、
足を運び、都道府県連などとの意見交換を重ねてきた。今年８月に幹事長に就任すると、
地方行脚の際に受けた声を反映するため、財政再建の歩みをいったん緩め、景気対策を優先する
方針を掲げた。財政出動をためらわず、基礎的財政収支（プライマリーバランス）を
２０１１年度に黒字化する目標の先送りも「一つの選択肢だ」と指摘した。
疲弊した地方に予算を配分し、衆院選に向けて党の地方組織の立て直しを図る狙いもある。
自民党では、麻生氏の国民的な人気の高さへの期待とともに、「麻生氏なら、景気優先への
転換を印象づけることができる」との見方から、支持が広がる要因となっている。（中略）
しかし、この流れに異を唱える向きも少なくない。
その急先鋒（せんぽう）が中川氏ら、いわゆる「上げ潮派」だ。民間活力による経済成長を重視し、
公共事業など財政出動を伴う経済対策には慎重だ。麻生氏の主張は、小泉元首相が敷いた
構造改革路線を否定し、「古い自民党に先祖返りすることになる」と受け止めている。
中川氏に近い若手には、自民党の地方組織の中核となってきた業界や団体に過度に気を使うより、
都市のサラリーマン層にも支持を広げるべきだという意見もある。この点でも、地方重視の麻生氏と違う。
麻生氏への有力な対抗馬と目され、出馬に意欲を示しているのが小池百合子・元防衛相だ。
小池氏は２日、町村派幹部に電話で「悩んでいる」と打ち明けた。
中川氏は２日、都内の個人事務所で小池氏と会談。その後、小池氏は記者団に、
「国内、国外、広い意味での話について意見交換した」と語り、なお、党内状況を見極める
考えをにじませた。中川氏は「そう遠くない時期には、はっきりさせたい」と述べた。
一方、「総裁選を自民党再生の機会として位置付けるべきだ」という若手の取り組みも始まった。
当選１回の衆院議員らで作る「国民本位の政治を実現する会」が２日、国会内で開いた会合では、
麻生氏の対立候補が出そうもない状況になった場合は、衆院当選１回の議員から擁立すべきだとの
意見も出た。会合後、会長の平将明衆院議員（山崎派）は記者団に、
「禅譲、予定調和みたいな作られた総裁選になると、自民党は大変危機的な状況になる」と語った。
党内には「反麻生」感情も根強く、昨年の総裁選と同様に、
「麻生包囲網」が一気に出来上がる可能性も指摘されている。
福田首相の退陣は早期の衆院解散・総選挙を求めた公明党の圧力が一因との見方がある。
その公明党への配慮が麻生氏に目立ったとして、「公明党まで利用して、自分に有利な流れを作ろうとしている」と、
懐疑の目も向けられている。
讀賣新聞（抜粋） URLﾘﾝｸ(www.yomiuri.co.jp)
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