08/06/23 06:04:55
洞爺湖サミットを前に、福田首相は「今後10年から20年の間に、世界の温室
効果ガス排出量を減少傾向に転じさせる」という考えを打ち出した。
このくらいのことは、地球温暖化を防ぐために、ぜひとも必要である。
だが世界の排出量のうち、京都議定書で削減義務を負う先進国の割合は3割にすぎない。
全体の排出量を減らすためには、削減義務を負わない途上国の排出も減らしていかな
ければならない。中でも重要なのが「排出大国」に躍り出た中国だ。
■米国抜き世界一に
五輪開催が近づく中国の首都北京。突貫工事が続く会場の上に、どんよりした
灰色の空が広がる。
巨大な製鉄所やコークス工場の市外への移転を進めたため、黒いばい煙は減った。
しかし、それに代わって日に1千台前後のペースで自動車が増え、排ガスが空気を
汚しているのだ。
中国の成長の勢いは止まる気配がない。国際エネルギー機関の推計によると、
エネルギー消費の増加によって中国の二酸化炭素(CO2)排出量は日本の約4倍と
なり、07年には、ついに米国を上回り、世界一になった。
今のままだと中国の排出量は50年に米国の1.6倍に達する。地球環境産業技術
研究機構はそう試算する。インドの排出量も、今は米国の2割だが、50年には米国の
8割に迫る。先進国が減少に転じても、中国やインドが変わらない限り、50年の
世界の排出量は半減どころか、2倍近くに増える。
地球温暖化を防ぐためには、なんとしてでも京都議定書後の枠組みに中国やインドが
加わり、まずは排出抑制、そして早い段階で排出削減へとかじを切ってもらわねば
ならない。
中国では、胡錦濤政権も手をこまぬいているわけではない。原油高を受けて、
エネルギーの浪費体質を改める省エネに一段と力が入ってきた。
06年から5年間にエネルギー消費効率を20%向上させる。そんな目標を地方政府や
大企業に約束させ、達成できなければ、容赦なく幹部を降格させるという。
小規模の石炭火力発電所には閉鎖命令を出している。
(続きは>>2-10)
-朝日新聞-
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