08/06/16 05:52:55
インフレが地球のあちらこちらで息を吹き返している。経済のグローバル化が
進み、安価な製品が国境を越えて広がったおかげで、インフレは前世紀の問題
となったかに思われた。
だが、歯止めのかからない石油や食糧の価格急騰が、魔物を再びよみがえらせた。
日本では、デフレが長く続いたことや、燃料・材料費の上昇分を企業が部分的に
せよ負担していることから、消費者物価の統計を見る限り欧米ほどインフレは
顕在化していない。
それでも、企業間で取引される際の物価は、27年ぶりの高い伸び率となっている。
インフレがとりわけ深刻なのは途上国や新興国だ。消費に占める食料品やエネルギー
関連の支出の比率が高いためで、2ケタの物価上昇率に苦しんでいる国も少なくない。
不満を募らせた市民が街頭デモを繰り広げるなど、社会不安に火がつく懸念も出てきた。
そうした中、北海道洞爺湖サミットを前に集まった主要8カ国(G8)の財務相は、
原油や食糧の価格高騰を「重大な試練」と呼び、世界的なインフレの高まりを警戒した。
しかし、いざインフレ対策となると、景気を悪化させる重い副作用を伴い、実行には
相当な覚悟がいる。
(続きは>>2-10)
-毎日新聞社説-
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