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★「制度廃止まで戦う」茨城県医師会、福田政権に反乱 命を犠牲にして医療費を削減
後期高齢者医療制度が「老人いじめ」と悪評紛々だ。
内閣支持率や衆院山口2区補選にも影響を与えているが、すべてが「他人事」の福田康夫首相は
見直す考えはないという。こうした中、自民党の有力支持団体・地方医師会に「反対」を唱える動きが
急速に広がっている。福田政権への反乱は、都道府県レベルで20を突破したという。
真っ先に「制度廃止」を掲げて活動している茨城県医師会の原中勝征会長(68)が狼煙を上げた。
「人の命を年齢で差別するのは間違っている。この制度は、老人の負担を増大させるだけでなく、
日本の親子関係や相互扶助の精神を崩壊させる。老人は決して幸せにならない。制度廃止まで徹底的に戦う」
原中氏の舌鋒は鋭い。
同制度は06年、小泉内閣時代に与党の強行採決で成立した。
茨城県医師会は内容について何度も問い合わせたが、厚生労働省は「まだ決まっていない」と言い続け、
全体像を明らかにしたのは今年3月だった。
詳細を同医師会で検討した結果、
(1)75歳で強制加入という特異性
(2)年金からの保険料天引き
(3)保険料滞納による保険証取り上げ
(4)自由に医療機関を選べない-などに疑問が集中。
最終的に「法律の目的は命を犠牲にして医療費を削減するものだ」との結論に達し、
3月21日の理事会で反対することを全会一致で決めた。
今月20日には全県下に「高齢者いじめの制度が許せますか!」という新聞折込広告を入れ、
制度廃止を求める署名や意見を求めたところ、全国から賛同する声が殺到しているという。
世論調査では、後期高齢者医療制度について7割以上が「評価しない」(朝日新聞など)と回答。
自民党若手からは「こんな制度とは知らなかった」という信じ難い本音まで漏れる。
原中氏は「国会議員として恥ずべきことだが、自民党の部会制にも問題がある。
議員が法律の中身を知らなくても、各部会が決めれば所属議員は賛成しなければならない」と指摘し、
同制度を成立させた小泉政治をこう批判する。
「日本はかつて調和がとれた助け合いの社会だった。だが、小泉時代の5年間で一気に格差社会となり、
人間関係を断ち切ってでも『金を儲けたヤツが成功者』『心など関係ない』という悲しい国になった。
社会正義も失われつつある。小泉政治は一種のブーム。本質は『平成の姥捨て山』といわれる制度を
成立させたことでよく分かる」
医師会は、自民党の有力支持団体として知られる。特に茨城県は強固な保守地盤を誇り、
自民党厚労族の大物、丹羽雄哉元厚相や額賀福志郎財務相のお膝元だが、
原中氏は「医師として『患者を守るため』に行動している」といい、
「最近の自民党は2世3世や官僚出身の議員ばかりで、苦労して『国民のために』と議員になった
人物が少なくなった。国民の気持ちが分からず、霞ヶ関の役人たちの論理ばかりが先に立っている」
と切り捨てる。
茨城県医師会が配布しているチラシ(クリックで拡大)
URLリンク(www.zakzak.co.jp)
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