08/02/27 09:00:31
飲酒運転で摘発された職員2人に対し、大阪高裁が減給1カ月(10分の1)の軽い処分で済ませていたことが分かった。
2人からは道路交通法による免許停止90日間に該当する呼気1リットル当たり0・25ミリグラム以上のアルコール分が検出され、
同程度なら免職や停職など重い処分を科す自治体が多い。
法の番人の身内に甘い対応に、飲酒運転の撲滅に取り組む団体から「市民感覚から外れた処分。襟を正して」と批判の声が上がっている。
2件の飲酒運転は、毎日新聞が開示を求めた過去5年間の懲戒処分に関する司法行政文書で判明した。処分対象は大阪高裁長官が
任命権を持つ管内の職員(高裁と近畿2府4県の地・家裁の管理職ら)。氏名、所属部署、官職名、飲酒運転の日時などは「個人の特定に
つながる」として非開示だった。
開示文書によると、05年に奈良県で乗用車を運転中に検挙された職員からは、呼気1リットル当たり0.3ミリグラムの
アルコール分が検出された。
06年に検挙された職員は大阪府で原付きバイクを運転。0.25ミリグラムのアルコール分が検出されていた。
大阪高裁は、人事院の「懲戒処分の指針」に基づき処分を決めたと説明。指針は、酒酔い運転なら免職・停職・減給、
酒気帯び運転なら停職・減給・戒告の範囲で処分するよう求めているが、大阪高裁は減給にとどめた。
一方、自治体では、「酒酔いは免職、0.25ミリグラム以上の酒気帯びは3カ月以上の停職」(岩手県教委)、「酒酔いと
酒気帯びは免職。一定の情状が認められるときは停職」(大阪府教委)--など、厳しい処分を科すケースが多い。
大阪高裁総務課は減給処分について「事案の性質、社会的影響を考慮した結果で適切」とし、未公表だったのは
「職務に関連しない不祥事は停職以上の処分だけを公表するとした、最高裁通知に基づいた」としている。
「交通死被害者の会」(大阪市)事務局の米村幸純さん(57)は「あまりの軽さにあきれて物も言えない。運が悪くて
検挙された程度にしか考えていないのではないか」と憤っている。
▽原田三朗駿河台大名誉教授(公務員倫理)の話
(減給は)形式的な処分で済ませたのではないかと疑問に思う。 信頼される組織の根幹は倫理だ。懲戒処分には
再発防止の意味もあり、 身内をかばうような形で終わっていないか、組織のトップは常に考えるべきだ。
◇飲酒運転厳罰化の流れ拡大
02年6月の道交法改正で、酒気帯び運転の罰則が「3月以下の懲役、又(また)は5万円以下の罰金」から「懲役1年以下、
罰金30万円以下」 になるなど強化された。
横浜市は03年、飲酒運転は事故を起こさなくても原則免職にする処分基準を政令市として初めて明示。
人事院も02年5月、飲酒運転の懲戒指針を1ランク厳しくする通知を各省庁に出した。
市町村でも幼児3人が犠牲となった福岡市職員による飲酒追突事故(06年8月)を契機に、従来の基準を厳しくする
流れがさらに拡大。道交法は07年6月にも改正され、酒気帯びは「3年以下の懲役、50万円以下の罰金」にまで厳罰化している。
ソース:URLリンク(mainichi.jp)
毎日新聞 2008年2月27日 2時30分
依頼スレ#149より