08/01/25 19:46:17
ブッシュ大統領は16日、米海軍がカリフォルニア沖でソナーを使った演習活動を行うことはクジラなどの
海洋哺乳類の保護を目的に制定された連邦法(CZMA: Coastal Zone Management Act)に違反する行為と認定した
仮処分が根拠としたCZMAの条項の一部に対して拒否権を発動しカリフォルニア沖に関してのみCZMAの適用範囲から除外する決定を下した。
カリフォルニア沖がCZMAの適用範囲から除外されたことを受けて、米海軍ではカリフォルニア沖のアクティブソナーを
用いた演習の実施に際する、連邦政府の承認を受ける際にCZMAの法律要件に対して緩和措置の適用を受けることが可能となる。
米海軍は南カリフォルニアのサンディエゴ沖の海上で、アクティブソナーを用いた潜水艦の索敵演習を実施してきたが
自然環境保護団体やカリフォルニア州の地方政府、環境保護関連の連邦政府機関などを中心に海軍によるソナーの利用は
クジラなどの海洋哺乳類の知覚能力を狂わすなどの深刻な影響を与えるとして、 CZMAを根拠に、演習でのソナーの
利用の中止を求める請求がロサンゼルス連邦地裁に対して起こされ、ロサンゼルス連邦地は今月3日付けで、ソナーの利用を
禁止する判決を下していた。
大統領の決定は裁判所の仮処分には影響を及ぼさないが、裁判所の仮処分の命令を下した際の法的根拠となった
CZMAの適用範囲からカリフォルニア沖が除外されたことを受けて、米海軍側は改めてロサンゼルス連邦地裁の仮処分に対して
控訴を行うことで、この仮処分命令を覆すことが可能となる。
米海軍は米大統領によるこの決定に対して「我々は国の安全を守るというという義務があるのはもちろんですが、環境保護を
行うということも忘れてはいません」とした上で「演習の実施にあたっては環境保護のための29項目に渡る保全措置を実施することを
既に決めており、ソナーを用いても環境には影響は与えないと確信しています」と述べている。
自然保護団体に加えて、カリフォルニアの住民の多くがこの大統領の決定に反対の意向を示している。
住民の意向を受けて、カリフォルニア州選出のマイク・ホンダ上院議員(民主党)は大統領の決定は越権行為だと主張するなど
この問題は、改めて政治問題化する兆しもでてきた。
ソース:URLリンク(www.technobahn.com)
※依頼スレ#704より