07/12/23 03:23:49
厚生労働省が事業停止命令を出す方針を固めたグッドウィル・グループの日雇い派遣大手「グッドウィル」(東京都港区)
による違法派遣は今年8月の1か月間だけで、83支店で計109件に上ったことが、同社の社内調査結果をまとめた
内部資料や関係者の話でわかった。
違法派遣による売上高はこの1か月だけで約1900万円と算出されている。厚労省は同社の全国737支店のうち89支店
で法令違反を確認。この89支店は4か月、その他の支店は2か月の事業停止(新規の派遣禁止)とする方針。
グッドウィル・グループは23日、厚労省から事業停止命令の通知を受けたことの責任を取って、12月末日でグループの
代表取締役を務める折口雅博会長が代表権を返上すると発表した。
関係者によると、グッドウィルは、7月に関東地方の支店で「二重派遣」などの違法行為が表面化したため、
翌8月、全国の支店を対象に内部調査を実施した。
判明した違法派遣109件のうち最も多かったのは、同社から派遣労働者を受け入れた企業が、さらに別の企業に
労働者を送り込む「二重派遣」で51件に上った。二重派遣は事故が起きた際の責任の所在があいまいになりやすく、
中間マージンが増えて賃金が低く抑えられる恐れがあり、職業安定法で禁じられている。
安全面などを考慮し、労働者派遣法が禁止している業務への派遣も目立ち、港湾での運送作業が33件、建設現場への
派遣が16件、警備業務も1件あった。
こうした禁止業務への派遣は、受け入れ側が現場で勝手に禁止業務に就かせていたとの釈明がされることもある。
だが、派遣元は派遣労働者がどんな仕事に就いているかを把握する必要がある上、グッドウィル関係者は
「営業ノルマが厳しいため、禁止業務に就くとわかっていながら派遣したことも多かった」と語る。
グッドウィル・グループも、こうした違法派遣についての処分を受け入れることを表明したうえで、折口会長の代表権返上に加え、
グッドウィルの神野彰史社長が役員報酬の月額50%を6か月分返上するなど、役員と執行役員計11人の報酬や給与を返上、
または減額する。
(2007年12月23日3時1分 読売新聞)
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