07/12/12 21:44:07
NHKがテレビ受信料を払わない契約者3人に対して支払いを請求している訴訟の第5回口頭弁論が
11日、東京地方裁判所で開かれた。被告側は「知る権利は憲法で保証されたものであり、金を強制
的に取られるのは憲法に違反するものだ」などと主張した。
被告の契約者は3人とも東京都内に住む30代の男性で、カラーテレビの受信料27ヵ月~35ヵ月分を
滞納したため督促を受けた。3人は支払い拒否の理由としてNHKの「不正経理」や「政治圧力による
番組改編」などを挙げている。
不正経理とは、紅白プロデューサーによる約3,000万円の使い込みなど。政治圧力による番組改編とは
「従軍慰安婦問題」を取りあげた特集番組に対して安倍晋三・官房副長官(当時)らが圧力をかけて内容
を変えさせたというもの。
この日の弁論で被告代理人は「電波は政府管掌のものではなく、市民の公共圏を作り出すパブリック・
フォーラムである」と陳述した。これを保証するため放送法第1条がある、というのである。放送法第1条は
▽放送の最大限の普及▽表現の自由の確保▽放送の民主主義発達への貢献、から成る。
ところが、放送法第32条1項は「協会(NHKのこと)の放送を受信することのできる受信設備(テレビ)を
設置した者は、協会とその受信について契約をしなければならない」と定めている。受信契約の義務付け
である。放送法32条がある限り、受信料支払い拒否の正当性を主張するのは難しい。この日の弁論で
被告代理人はそこを突き崩そうと陳述した。「放送法第32条は『契約の自由』と矛盾する。この矛盾を
解決するのが憲法の知る権利であり、表現の自由だ」
原告のNHKは「訴訟は憲法論ではない」と主張している。
NHK受信料請求裁判は請求額4万円~5万円台の少額訴訟だが、「公共放送」と「パブリック・フォーラム」
「憲法の定めた知る権利・表現の自由」の関係を国民に問う裁判となっている。
ソース:JANJAN
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