08/07/07 03:42:14
日本や中国で栽培されるイネ「ジャポニカ」の起源が、インドネシアや
フィリピンまでたどれることがわかった。
農業生物資源研究所(茨城県つくば市)の井澤毅・主任研究員らが、
もみの大きさを決める遺伝子の変異を手がかりに突き止め、6日付の
米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表する。
もみの幅が広くて米粒が大きいジャポニカは、これまでの考古学的な
調査によると、約1万年前の長江中・下流域が起源との説が有力だ。
研究チームは今回、ジャポニカの「日本晴」とインディカの「カサラス」の
2品種を比べ、米粒の大きさの変化にかかわる遺伝子(qSW5)を発見。
この遺伝子が変異してジャポニカのもみが大きくなったことを確かめた。
この変異と、もみを穂から落ちなくする遺伝子変異、もちもちした食感に
する遺伝子変異の計3種類について、アジア各地の古い栽培品種
142系統を調べた。
その結果、フィリピンやインドネシアの品種で、三つの遺伝子に変異の
ないものと、もみを大きくする変異のみをもつものが見つかった。
このため、この地域でイネの遺伝子が変異してもみが大きくなり、その後、
インドシナ半島や中国大陸で他の二つの変異が組み合わさって現在の
ジャポニカができたという。
総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎教授(植物遺伝学)の話
もみの幅を広げる遺伝子の変化をとらえたことは大きな発見で高く評価できる。
ただ、遺伝子の変化を、直接イネの栽培化と結びつけるのは難しい。
考古学資料とのすり合わせが必要だろう。
ソース:URLリンク(www.asahi.com)
朝日新聞 2008年7月7日3時0分
他紙ソース:
URLリンク(mainichi.jp)
毎日新聞 2008年7月7日 2時30分
【参考】
■農業生物資源研究所
URLリンク(www.nias.affrc.go.jp)