08/06/23 17:05:41
体細胞から万能細胞(iPS細胞)をつくる過程で特定の化合物を加え、
作製効率をこれまでの100倍以上にすることに、米ハーバード大の
ダグラス・メルトン教授らがマウスで成功した。人間でも同じ方法で
効率が上がるとしている。
22日付の米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に発表する。
iPS細胞は、皮膚などの細胞に万能化(多能化)にかかわる複数の
遺伝子を導入してつくる。メルトン教授らは京都大の山中伸弥教授と
同じ四つの遺伝子を使い、特定のたんぱく質の合成を妨げる物質や
酵素など7種類の化合物を加え、それぞれ効率を調べた。
化合物を加えないときの遺伝子の導入効率は0.01~0.05%。
それが「バルプロ酸」というたんぱく質合成阻害剤を加えると、9.6~
14%程度にまで高まった。
四つの遺伝子から、細胞のがん化にかかわる遺伝子をのぞいた三つの
遺伝子を使う作製法では、これまで遺伝子の導入効率は0.001%程度と
さらに低かったが、バルプロ酸を加えると、こちらも効率が約50倍になった。
バルプロ酸を加えると、多能化にかかわる遺伝子が活性化されるためらしい。
山中教授は「マウスでの成果とはいえ、大きな前進だ。今後、化合物の
添加が遺伝子に変異を起こさないかどうかなど、安全性の検討が必要に
なってくる」と話す。
ソース:URLリンク(www.asahi.com)
朝日新聞 2008年6月23日3時2分