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大気汚染の原因となる化学物質を中国大陸からもたらすと疑われている
黄砂が、カビや細菌を運ぶ「微生物の箱船」にもなっている可能性が出てきた。
金沢大の小林史尚准教授(環境生物工学)らが、黄砂に付着した微生物を
確認、中国・ウルムチであった国際会議で発表した。人の健康や生態系への
影響が心配されるという。
研究グループは、中国・敦煌や金沢市などで気球をあげ、上空の黄砂を採取。
培養やDNA分析で含まれる微生物の種類を調べた。
その結果、昨年8月に敦煌上空700メートルで黒カビやこうじ菌の一種を検出。
06年には50~100メートルの上空で、セレウス菌という食中毒菌の仲間なども
見つけている。
一方、金沢大学(金沢市)の上空約500メートルで07年4月、放線菌の仲間を
検出した。黄砂が観測された日に採取されたことから、中国大陸から渡ってきたと
みられるという。
台湾や韓国では、黄砂が多い時に心臓や肺の病気などで入院患者や死者が
増加するという報告がある。国内でも鳥取大学などが、黄砂がぜんそく患者の
症状を悪化させるという研究を発表。黄砂の粒が細胞を刺激するほか、含まれる
化学物質や微生物がアレルギー反応を誘発するのではないかと考えられている。
研究グループの岩坂泰信・金沢大特任教授(大気物理学)は「微生物は紫外線や
乾燥に弱いが、黄砂にくっついて守られ、大陸からたくさん運ばれて来ると
考え直さなければならない。健康被害の調査も必要になるだろう」と話している。
ソース:URLリンク(www.asahi.com)
画像:URLリンク(www2.asahi.com)
朝日新聞 2008年6月20日1時0分
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