08/06/17 19:51:04 MBeg/cn0
水野博士の簡易炉での常温核融合成功は、多環芳香族炭化水素の
一種フェナントレンと高圧水素ガスを白金・硫黄の触媒下に反応させる
というものである。従来の常温核融合反応の多くが重金属を水素と
反応させるものであったのに対し、水野博士は水素と炭化水素中の
炭素を反応させた点が注目される。
炭化水素の水素化は石油化学工業の分野ではありふれた化学反応
であり、70気圧・660度という条件も決して特異なものではない。白金触媒、
硫黄の存在も石油化学工業では通常のことである。つまり、瀬戸内海や
東京湾の石油化学コンビナートがそのまま常温核融合の発電所に変身
することも可能になるのだ。
電気系とは畑違いの石油化学工業分野に核融合が広まることは、
石油枯渇後のこの分野の生き残りという点でも重要であると思われる。
それにしても、膨大な炭化水素系物質の中でフェナントレンを水素ガスと
反応させるという方法を水野博士がどうやって思いついたのかが気になる。
水野博士は常温核融合が核変換であるという理論を確立した人物であり、
その理論からフェナントレンを選び出したのではないかと想像する。
だとすれば、他にも有望な物質が炭化水素系物質から見いだされる
可能性は十分あるだろう。
また、この分野の研究が発展すれば、石油価格の暴落や貴金属価格の
暴落などの点で、商品価格にも大きな影響が出ることが予想される。