08/04/10 21:26:25
<こちらも警報 台風接近・くも膜下出血 多発>
台風が近づくと、くも膜下出血を引き起こす危険が高まる。こんな研究結果を、国立病院
機構・関門医療センター(山口県下関市)の泉原昭文・脳神経外科医長がまとめた。
気圧の変化が血管のこぶを破裂させる可能性が推測されるという。
泉原さんは「気象と病気との関連について研究が進めば、予防医学に役立つ」と話している。
(上遠野郷)
三月に京都市であった日本脳卒中学会で発表された。
泉原さんは二〇〇〇年から約二年間、県立八重山病院(石垣市)に勤務。
一般的に冬に多いとされるくも膜下出血の患者が、八重山諸島では夏から秋に多いことに
気付いたのをきっかけに、一九八九年から二〇〇二年までに同病院でくも膜下出血と診断
された二十六―九十一歳の入院患者九十四人の発症時期を調べた。特に、台風が最接近
した日を中心に前後三日間を「台風接近時」として区別し、それ以外の時期の発症者数と
比較した。
気象庁の記録から、この期間、石垣島の三百キロ以内に接近した台風は五十六個。
接近時の発症率は百日当たり約三・四人で、それ以外の時期の百日当たり約一・九人と
比べて一・八倍多かった。
発症時の状態別に見ると、一般的には運動や入浴といった身体への負荷が大きい時に
発症しやすいとされるが、接近時は睡眠中、食事中など比較的安静な状態にもかかわらず
発症した人が約六割を占めた。
泉原さんは原因として、気圧の低下で脳動脈にできたこぶが膨張したり、不安感が高血圧を
引き起こしたりしたとみる。「病気と気象の関連は多くの医師が感じていたが、それを裏付け
られた。高血圧や喫煙などほかの要因もあるのでまだ不十分だが、さらにデータを集めて
関連を調べたい」と話している。
沖縄タイムス 2008年4月10日(木) 朝刊 25面
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