08/04/04 09:12:34
<鉱物が自転速度に影響 周期的変化に新説>
地球の深さ約2700-2900キロ付近、下部マントルの最深部にある鉱物が、これまでの
推定より電気を通しやすい性質を持ち、地球の自転の速さを周期的に変化させる要因に
なっている可能性があることを広瀬敬東京工業大教授の研究チームが突き止め、
4日付の米科学誌サイエンスに発表した。
地球は約23時間56分で1回転する。精密に調べると、この時間はほぼ10年ごとに
1000分の3-1000分の4秒増えたり減ったりすることが知られているが、変化が生じる
仕組みは不明だった。
広瀬教授らはこれまでに、核と接する下部マントル最深部に、厚さ約200キロの「ポスト
ペロフスカイト」という鉱物の層があることを明らかにしている。今回はこの鉱物がある
約130万気圧、2500度という地下環境を実験室で再現し、電気伝導率を測定した。
すると、この鉱物の層は下部マントルのほかの部分より約10-1000倍も電気を通し
やすいことが判明。広瀬教授らは、鉱物層に大きな電流が流れ、地球を取り巻く磁場との
相互作用でマントルに力が加わると判断した。
磁場の向きや強さは、地球の中心部にあって液状の鉄が対流する外核の活動に影響を
受ける。「鉄の流れは目まぐるしく変わり、10年ごとに磁場を変化させている」(広瀬教授)
ため、結果的にマントルに加わる力も周期的に変わり、自転速度に影響するとみている。
2008/04/04 06:29 【共同通信】
URLリンク(www.47news.jp)