08/03/01 23:33:12
輸入農畜産物の生産に海外で使われている水のうち約7%は、枯渇が心配される地下水に
頼っているとする推計結果を東京大と国立環境研究所のグループがまとめた。
地下水の使用は環境への負荷が大きく、「持続可能性」の観点からも好ましくないとされて
いる。沖大幹・東京大教授は「海外の環境にどれくらい影響を与えているかを知って欲しい」
と述べた。
00年の統計とモデル計算を使い、大豆や米、小麦など農産物5品種と、牛、豚、鶏の畜産物
3品種を作るのに必要な水量を推計。さらに雨水と灌漑(かんがい)水に分け、灌漑水は水源が
河川か、ダムか、地下水かなども推定した。
その結果、計8品種の日本向け農畜産物を作るのに、海外で1年に使われる水は427億トン
と推計された。73億トン(17%)は灌漑水で、うち29億トン(7%)は地下水と考えられた。
米国の地下水が15億トンで特に多かった。
生態系の中で循環する雨水や河川水は持続可能な資源とされる。一方、地下水の一部は
「化石水」と呼ばれ、たまるのに数万年もかかるため持続的に使うことができない水と
される。米国中部にある帯水層の地下水などが代表例という。
グループは、人々の生活が環境に及ぼす負荷を耕作した農地などの面積で示す「エコロジカル
・フットプリント(生態系に残った足跡)」にちなみ、輸入農畜産物が必要とする水の量を
「ウオーター・フットプリント」と呼んでいる。
5日から広島大学で開かれる土木学会講演会で発表する。
asahi.com 2008/03/01
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