08/02/28 07:49:30
太陽系9番目となる未知の惑星が海王星の外側に存在する可能性が高いことを、神戸大の
パトリック・S・リカフィカ研究員と向井正教授が、詳細な理論計算で世界で初めて突き
止めた。
今後、観測体制が整えば、10年以内にも発見されそうだという。この成果は、4月発行の
米天文学専門誌「アストロノミカル・ジャーナル」に発表される。
太陽系の縁では、「太陽系外縁天体」と呼ばれる1100個以上の小天体が、海王星軌道の
外側を回っている。その多くは、8惑星と同じようなほぼ円形の軌道をとるが、なかには
それと大きくずれている天体もあり、なぜそのような変則的な軌道を持つのかが大きななぞ
として残されていた。
リカフィカ研究員らは、太陽系ができ始めて間もない40億年前から現在までの惑星や
太陽系外縁天体の軌道の変化を、最も有力な太陽系形成理論にもとづいてコンピューター
で計算した。その結果、水星から海王星までの8惑星では変則的な外縁天体の軌道を説明
できず、新たな「惑星X」を仮想的に加えて計算することで初めて、それが可能になること
がわかった。これが、惑星Xが存在することの理論的な証拠になるという。
リカフィカ研究員らによると、突き止められた惑星Xは海王星の外側にあり、長半径が
150億~260億キロ・メートルの楕円(だえん)軌道を回っている。重さは地球の3~7割で、
この領域に多い氷と岩石でできた天体だと仮定すると、直径は、地球の約1万2700キロ・
メートルに匹敵する1万~1万6000キロ・メートルになるという。
惑星Xが太陽に最も近づく120億キロ・メートルの地点では、2006年に惑星から除外された
冥王(めいおう)星と同じくらいの14・8~17・3等の明るさで見えるはずだが、他の惑星が
回る平面と20~40度の傾きを持つため、見つからなかったらしい。
読売新聞 2008/02/28
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
◆画像 惑星Xの大きさの想像図(リカフィカ研究員提供)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)