08/02/08 17:30:08
地球温暖化防止で注目されるバイオ燃料を生産するため、森や草原を、原料となる大豆など
の畑に変えると、逆に温暖化を促進してしまうという試算を、米国の研究者らがまとめた。
森などが蓄えていた炭素が大量の二酸化炭素(CO2)として放出され、数十年から数百年後
まではCO2抑制効果が出ないという。8日発行の米科学誌サイエンスに発表した。
試算したのは、米国の環境保護団体「ネイチャー・コンサーバンシー」とミネソタ大学の共同
チーム。
森林や草原を畑にすると、燃やしたり、草木を微生物が分解したりする際に大量のCO2が出る。
研究チームは、東南アジアやブラジル、米国などを例に、様々な植生をバイオ燃料用の作物畑
に変えた場合に出るCO2の量と、生産されたバイオ燃料の使用によるCO2排出削減量が等しく
なる時間を試算した。
試算の結果、最も時間がかかったのは、1ヘクタールあたり約3500トンのCO2を貯留している換
算になるインドネシアやマレーシアの泥炭地の森をパームやしの畑に変える場合で423年。ブラジ
ルの熱帯林を大豆畑にした場合は319年、米国中部の草原をトウモロコシ畑に変えた場合も93年
だった。これらの期間に達するまでは、化石燃料を使う場合よりもCO2の排出量が総計で多くなり、
地球温暖化を促進するという。
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