08/02/03 17:27:10
サイ・テク・カレッジ理事長で理学博士の遠山英一さん(71)=沖縄市=が
1996年に発表した論文がこのほど、米国政府に政策提言する全米科学アカデミーの
米国学術研究評議会の報告書で紹介された。論文は「沖縄県における飲料水中の
フッ素(フッ化物)イオン濃度と子宮がん年齢調整死亡率との関連」。
遠山さんは米民政府統治下の水道水にフッ化物を注入していた時代とその後の
データを基に、フッ化物を注入した地域の子宮がん死亡率が注入していない地域の
1・36倍に及ぶことなどを説明。「水道水へのフッ化物の注入は重大な問題がある」と
指摘している。
米国学術研究評議会は、世界の研究論文の中から学術性の高い論文を選び、
報告書に掲載している。遠山さんの論文要旨は、2006年発行の報告書
「飲料水中のフッ化物」の中で紹介された。遠山さんは昨年暮れ、自分の論文が
報告書に載っていることを知った。
県内では米民政府下で1957―73年にかけて水道水にフッ化物が注入され、
復帰時の子宮がん死亡率が全国ワーストだった。遠山さんは米民政府の
機関・琉球水道公社で企画課長などを務めた経験から水質と各種疾病死亡率の関連を、
水質因子や社会・経済・栄養学的因子など多角的に調べ、フッ化物と子宮がん死亡率の
高い相関関係を見つけた。
フッ化物注入期間との関連では73―82年までのデータで、全く注入しなかった
地域の人口10万人当たりの子宮がん死亡率10・19に対し、5年注入した地域で
13・83、15年注入した地域で13・86と死亡率が高かった。83―92年の調査では、
いずれの数値も低下した。
遠山さんは「政策提言できる権威的な機関の報告書に論文が掲載されて
びっくりしている。既に新たな仮説も立てており、今後、動物実験などを経て発表したい」
と意欲を見せている。
琉球新報
URLリンク(ryukyushimpo.jp)
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