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ES細胞で筋ジス治療
米チーム、マウスで成功
筋肉の力が徐々に失われる遺伝性疾患の筋ジストロフィーの症状を示すマウスに、遺伝子操作した
胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、筋肉の機能を一部回復させることに成功したと、米テキサス大の
研究チームが20日、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
筋ジストロフィーのマウスを、あらゆる細胞に分化する能力を持つES細胞の移植で治療したのは初めて。
遺伝子を操作するため、すぐには人への応用はできないという。
筋ジストロフィーのうち患者の多いデュシェンヌ型は、筋細胞の形を保つタンパク質「ジストロフィン」が
遺伝子変異のため作られず、筋力の低下や筋委縮が起きる。
研究チームは、マウスのES細胞を培養し、筋細胞への分化を促進する遺伝子「Pax3」を人工的に導入。
筋細胞になるよう分化し始めたものだけを取り出した。
これを病気のマウスの大動脈に注射したところ、1カ月後には筋細胞になって筋肉に定着し、ジストロフィンも
作られていた。通常のマウスほど強くないが、ある程度筋力が回復したという。
ES細胞を注入する治療では、無限に増殖するがん化が懸念されるが、筋細胞に分化するものだけを
厳選した結果、3カ月後にもがんは起きなかったとしている。
(共同通信)
URLリンク(www.kyoto-np.co.jp)
Functional skeletal muscle regeneration from differentiating embryonic stem cells
Nature Medicine
Published online: 20 January 2008 | doi:10.1038/nm1705
URLリンク(www.nature.com)