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日本が初めての官民共同開発ロケットとして、2011年度打ち上げを予定している中型ロケット
「GX」計画について、文部科学省が見直しに乗り出したことがわかった。
民間が米国から購入するエンジンが、米国側の都合で製造中止となり、別のエンジンに変更、
大幅な追加費用が生じることなどが判明したため。民間が費用を負担するのは難しいと見られる
ことから、同省は国が開発主体となる新中型ロケット開発計画に変更することなどを検討しているが、
計画がさらに遅れるのは必至で、日本の宇宙開発政策に大きな影響を与えそうだ。
GXは2003年から計画が始まり、当初は05年の打ち上げ予定だったが、官が担当するエンジン
の開発が、燃焼試験のトラブルなどで進まず、打ち上げが当初の予定より6年遅れていた。
民間のエンジン変更でロケット全体の見直しなどが必要になり、さらに約450億円の追加費用が
かかる見通し。来年度予算で同省はGXに約150億円を要求したが、56億円しか認められず、
すでに現行計画のままでの続行は厳しい情勢になっている。
国内には大型ロケット「H2A」がある。今後、国の衛星は中型衛星が多くなることや、世界の
商用衛星打ち上げ需要に柔軟に対応するために、H2Aの半分程度の打ち上げ能力の中型
ロケットの必要性が高まっている。GXがその役を担うと目されていた。
民間側はエンジン購入などで既に約500億円を投じており、「官側の遅れを待っている間に
費用負担がかさんだ」と官側の対応の遅れを批判。自民党は、情報収集衛星打ち上げ用ロケット
として期待しており、国の負担を追加しても、現行計画を続行するよう求めている。
同省では国産技術を中心にした中型ロケットに計画を見直すことなどを視野に、同省宇宙開発
委員会で、〈1〉中型ロケットの需要や開発意義〈2〉新ロケットに切り替える場合の費用や打ち上げ時期
〈3〉現計画の費用節減策―などを検討するが、官民の綱引きで議論は紛糾しそうだ。
GXは官民合わせて約450億円の計画として始まったが、これまでに官側は約290億円を投入。
民間の分と合わせると予算は大幅に超過している。
(2007年12月23日3時1分 読売新聞)
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