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川崎病に関連遺伝子 発症しやすい配列解明 理研など
子どもに発熱や発疹などの症状が出る川崎病にかかわる遺伝子を、理化学研究所などのチームが
突き止めた。遺伝子のタイプによっては2倍近く発症しやすく、心臓の冠動脈に瘤(こぶ)ができる
合併症や治療効果とも関係するという。川崎病が報告されてから40年たつが原因はわかっておらず、
原因解明や治療法の選択に役立つと期待されている。
理研遺伝子多型センターの尾内善広・上級研究員らが米カリフォルニア大サンディエゴ校と共同で研究。
論文は17日(日本時間)付米科学誌ネイチャージェネティクス電子版で発表された。
川崎病との関連がわかったのは「ITPKC」という遺伝子だ。尾内さんらは、兄弟姉妹で発症した患者
78組の協力で、関連遺伝子がありそうな場所を10カ所見つけた。さらに患者と患者以外の人を比較し、
米国人患者のデータも解析した。
この遺伝子には、遺伝暗号を記す塩基の並び方が1カ所変わったタイプがある。このタイプの人は
川崎病を1.89倍発症しやすく、合併症も2.05倍起きやすかった。合併症を防ぐために投与する薬、
ガンマグロブリンの効果が不十分な人にも多かった。
この遺伝子は、免疫を担うT細胞を活性化する物質インターロイキン2の増加を抑制し、過剰な免疫
反応を抑えることもわかった。川崎病の発症直後はインターロイキン2の濃度が高く、合併症の患者は
さらに高いという報告もある。遺伝子の塩基配列の違いが関係しているとみられる。
朝日新聞
URLリンク(www.asahi.com)
ITPKC functional polymorphism associated with Kawasaki disease susceptibility and formation of coronary artery aneurysms
Nature Genetics
Published online: 16 December 2007 | doi:10.1038/ng.2007.59
URLリンク(www.nature.com)