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iPS細胞で脊髄損傷のマウスの症状が改善 慶大チーム
慶応大学の岡野栄之教授(生理学)は25日、京都市で開かれたシンポジウム
「多能性幹細胞研究のインパクト」で講演し、京都大との共同研究で、
脊髄(せきずい)を損傷したマウスに、iPS細胞から分化させた神経前駆細胞を移植し、
症状を改善できたことを明らかにした。
岡野教授らのチームは、胸髄損傷により後ろ脚がまひしたマウスに対し、
マウスの体細胞を使ってつくったiPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を損傷後9日目に移植した。
その結果、症状は、後ろ脚に体重をかけられるまでに回復したという。
腫瘍(しゅよう)はできなかった。
また、神経前駆細胞が神経細胞に分化するだけでなく、
移植を受ける側の神経の再生も促していることも分かった。
iPS細胞が実際に治療に使えるかどうかについては、
マサチューセッツ工科大のチームが重症の貧血のモデルマウスを使って症状改善に成功している。
脊髄損傷の再生医療をめぐっては、米国では来年にもES細胞を使った臨床試験が始まる見通しだ。
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