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次世代エネルギー:東工大がマグネシウム利用実験 千歳市
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石油など化石燃料に替わる次世代エネルギーとして、マグネシウムの利用推進を図る実験を東京工業大の矢部孝教授が千歳市で始めた。
マグネシウム燃料は、燃焼に二酸化炭素を伴わないクリーンなエネルギーとされる。
来年の北海道洞爺湖サミットで環境問題がメーンテーマに挙げられることもあり、矢部教授は「マグネシウムが地球を救う」と意気込んでいる。
マグネシウムは海水に1800兆トンが含有される地球上で8番目に多い物質。
次世代エネルギーとして注目され、燃料電池で動くエコカーなども開発されたが、燃焼後にできる酸化マグネシウムをリサイクルする方法が確立されておらず、実用化は進んでいない。
矢部教授が千歳市で始めた試みは、酸化マグネシウムをマグネシウムに還元する装置「太陽光励起レーザー」の実験。
屋外に設置した3機の装置の表面パネル(縦横2メートル)が太陽を自動追尾し、太陽光を集め、レーザーに変換する。還元には、2万度に相当する熱量が必要で、変換効率のデータをまず採取する。
レーザー化した太陽光を酸化マグネシウムに照射するのは次の段階となる。
米国の研究者が行った同様の実験では、太陽光のレーザーへの変換効率が0.7%にとどまっているが、矢部教授は集光部の反射鏡をレンズに替え、これを3%程度まで上げた。
実用化には14~30%の変換効率が必要で、矢部教授は「千歳市は梅雨がなく、台風も来ないので条件がいい。
2年間の実験を経て、実用化を目指したい」と話している。