05/03/05 18:00:25
国内で100万~200万人とされるC型肝炎ウイルス(HCV)感染者への
治療について厚生労働省の研究班は、昨年10月に認可された新薬
「ペグインターフェロン(商品名ペグイントロン)」を柱に据える指針をまとめた。
5日の報告会で発表する。臨床試験の結果からは、2人に1人は完治が
期待できるとされている。
ペグイントロンはインターフェロンを改良して作られた。「B型及びC型肝炎
治療の標準化に関する研究班」(班長=熊田博光・虎の門病院副院長)は
新指針で、国内患者の大半を占める最も治療の難しいタイプのC型肝炎に対して、
ペグイントロンと抗ウイルス薬リバビリンの投与を48週間続ける併用療法を
第1選択とした。公的な医療保険が使える。
発売元のシェリング・プラウが実施した国内での臨床試験成績によると、
薬の効きにくい型のウイルスでその量も多い「1型高ウイルス量」の患者でも、
治療開始から1年後にウイルスが体内で検出できなくなる完治率が約48%。
従来のインターフェロンとリバビリンの併用療法の約19%を大きく上回った。
発熱や頭痛、抑うつなどの副作用があるとされている。
C型肝炎は国内の肝硬変・肝がんの最大原因で、不衛生な医療行為や
輸血などで感染が広がった。厚労省は昨年、ウイルスの混入した血液製剤
「フィブリノゲン」が過去に納入された可能性のある医療機関を公表して
検査受診を呼びかける一方、すでに世界で始まっていた
ペグイントロン・リバビリン併用療法を8カ月のスピード審査で認可していた。
C型肝炎のインターフェロン療法は92年に始まり、当初の完治率は約2%だった。
今回の指針では、これまでの治療が効かなかった人への「再投与」も、
ペグイントロン・リバビリン併用療法を第1選択とした。一度は完治をあきらめた
多くの患者にとっても朗報になる。
URLリンク(www.asahi.com)