07/12/12 23:40:43 7gGLGbH60
「言葉の変遷に敏感になれ」
那智 文江(保育園園長 59歳 東京都)
長らく保育園の園長という重職を務めていて、残念に思うこと
がある。保育士を未だに「保母」と呼ぶ園児の保護者がいること
だ。いまや「保母」なる呼称は廃され、「保育士」が正式な呼称
となっているのに、その程度の社会常識も弁えていない親の元で
育つ子ども達が、将来は引きこもりやニートになりはしないかと
心配でならない。
かつて、我が園に務めていた男の保育士が、園児へのスイーツ
を「おやつ」と呼んだり、給食のパスタを「スパゲティ」と呼ぶ
ことがあり、意識しようとしていまいと、女性蔑視に繋がる言葉
を園児に刷り込む危険があったので、その保育士を即刻解雇した
こともある。
言葉は時代によって移り変わるものである。女性の地位向上を
希求する時代の要請により、「保母」は「保育士」に、「看護婦」
は「看護師」に、「ステュワーデス」は「フライトアテンダント」
に呼称が改正され、いまではそれが社会的に公正な用語とされて
いる。「スイーツ」や「パスタ」もまた然りである。
男女共同参画社会への意識を高め、時代の変化に取り残されぬ
為にも、男性は言葉の変遷にもっと敏感になるべきである。
ただし、「男性差別」のような怪しげな言葉の捏造は、日本語
の乱れを防ぐ為にも、断固としてこれを排除しなければならない。