08/06/18 17:59:25
米オクラホマ州で95年、地元大学に留学していた京都市出身の山本憲さん(当時22歳)が殺害された事件で、
テリー・ショート死刑囚(47)の刑が17日夜(日本時間18日朝)、同州刑務所で執行された。4月に連邦最高裁が
薬物注射の死刑を合憲と判断して以来、同州での執行は初めて。
ショート死刑囚は95年1月8日未明、オクラホマシティーのアパート1階に爆発物を投げ込み炎上させた。2階に
住んでいた山本さんが全身やけどで翌日死亡、数人が負傷した。1階に住んでいた交際歴のある女性を狙った
犯行だった。
ショート死刑囚は97年に第1級殺人罪などで死刑を宣告され、07年10月に刑が確定した。「山本さんを殺すつもりは
なかった」などと減刑を求めたが、認められなかった。事件以前にも窃盗、住居侵入の前科があった。
ショート死刑囚の親類によると、オランダ人支援者が埋葬費用の拠出を約束しており、遺体は州内の墓地に埋葬される。
米国では昨年9月、連邦最高裁が薬物注射の死刑執行について、「残虐な刑罰」を禁じる憲法に違反するかどうか
審議を始めて以来、各州は執行を一時停止していた。
◇京都の遺族「死刑は当たり前」…13年間の無念募らせ
テリー・ショート死刑囚に殺害された山本憲さんは京都市で最も古い花街「上七軒(かみしちけん)」(同市上京区)で
育ち、画家を目指して現地の大学に留学中だった。遺族は「犯人がどんな人かは分からない。でも、罪もない人の命を
奪ったのだから、死刑は当たり前と思う」と重い口を開いた。
山本さんは、母清子さんが営むお茶屋の一人息子。「本当に優しくていい子だった。それなのに……」。隣家に住む
大叔母の牛窓恵津子さん(88)は山本さんの遺影に向かうと、今も涙があふれる。
13年前、事件の一報を聞いた清子さんはすぐに渡米したが、死に目にあうのがやっと。その後も、裁判や分骨のため、
度々現地へ飛んだ。だが、詳細は牛窓さんにも語らないまま。清子さんは02年、失意のうちに59歳で病死した。
お茶屋は廃業となり、建物も人手に渡った。山本さんをよく知る身内も今は牛窓さんだけ。「犯人が死刑になっても、
憲ちゃんが戻ってくるわけではない。どうして憲ちゃんまで死なせなくてはいけなかったのか、今も分からない」。
牛窓さんは再び遺影を見つめ、無念さを募らせた。
ソース
毎日新聞 URLリンク(mainichi.jp)