08/06/01 22:23:31
気のいい店主の脱税ぶりや、人一倍給与の多い同僚の話など、ここ1カ月、
イタリア国民の間に疑心が広がった。国税庁が4月30日、約4000万人に上る
全納税者の05年の申告所得を一挙にネット公開したためだ。プライバシー侵害を
指摘され、即日取り下げたが、瞬く間に広まり、騒ぎは今も続いている。
イタリアでは72年の法改正以降、国税庁や税務署で他人の申告所得を閲覧
できることになった。このため、新聞社では例年、有名人や富裕層、政治家の所得を
報じてきた。
ただしネット公開は史上初。5月のベルルスコーニ政権誕生後、退任が見込まれて
いた左派のロマノ国税庁長官が「公開が合法であるならネット上も問題ない」と
判断し、前触れもなく4月30日、公開に踏み切った。
プライバシー問題を扱うオンブズマンが「手続きもなくアクセスできる手法に問題が
ある」と国税庁に停止を求め、その日の夕刻、ネット公開は止まった。だが、すでに、
約4000万人分の氏名、生年月日、申告所得などが記された100以上のファイルは
流出した後だった。
脱税天国のイタリアで、徴税に躍起になり、増税が主因で敗北した前プロディ政権が、
退任ギリギリに「荒療治」を打ち出したという見方が濃い。
この問題に詳しいメッサジェーロ紙のチフォニ編集次長は「リストは私も含め皆大体
持っている。大きな騒ぎはないが、企業の人事部などに『なぜあの社員の給与は
高いんだ』といった不満が殺到している」と指摘する。さらに「企業の9割を占める
従業員5人以下の業者がいかに所得を低く申告しているかが如実にわかり、勤め人の
怒りが高まった。それと年齢を公開された女性たちの怒りも相当なものだ」と話した。
ソース
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