08/04/16 10:27:57
★日本ユニセフ大使 アグネス・チャンさん Q アフリカに必要な支援とは?
政府は来月、横浜市でアフリカ開発会議を開きます。7月の北海道洞爺湖サミットでもアフリカ
問題が主要議題となります。どう支援していくべきなのか。日本ユニセフ大使として、アフリカ
各地でボランティア活動をしているアグネス・チャンさんに聞きました。
清水 アフリカは二年連続で5%の経済成長を達成しました。その半面、依然として貧困も深刻です。
現状をどう見ていますか。
チャン 私たちはアフリカは一つだと思いがちですが、たくさん国があって、しかも、最近は
多様化しています。
政治が安定して発展の道に乗っている国もあれば、いまだに内戦の続くところもあります。そうかと
思えば、援助しても、ほんの一部の指導層が全部、懐に入れてしまうような、政府があるのか
ないのか分からない国もあります。
アフリカは貧しいイメージがありますが、本当は資源がたくさんあって豊かなところ。貧しくされている
だけなんです。安定した生活ができれば、大地の恵みを受けて十分やっていけます。そうなって
いないのは、やっぱり私たちも含め西側諸国に責任があります。
清水 アフリカの抱える最大の問題は。
チャン 一つは平和です。私たちがいくら援助しても、戦争を絶えずやっているところは、子どもたちが
死んでいきます。戦争が終わっても、子どもたちの死亡率はなかなか下がらない。もう一度、子どもを
育む力を取り戻すには時間がかかるんです。そうしているうちに、また戦争という悪循環に陥っています。
あとは、やはり安定した生活です。外国から物を言ってでも、何とかしないといけない。子どもの面倒を
見ている大人たちに、何でもいいから仕事の手段を持たせ、食べ物を家に持って帰ってこられるように
する。そうしないと、子どもたちは救えません。
清水 アフリカに必要な援助とは。
チャン 大地が豊かなところなら、自給自足で食べられる農業支援。農村のつくり方とか種の
扱い方とか、外国の持っている農業技術の支援がすごく大切だと思います。
もう一つは教育です。特に義務教育。国が教育に責任をもつことが重要です。できるだけみんなが
小学校までは出られるようにし、有望な子には中学、高校まで行けるチャンスを与える。それが将来の
底力をつけ、子どもの生存率を高めていくことにつながります。
清水 この二つを実現するにはどうしたら。
チャン アジアで日本の経済援助が成功したのは、民間企業の進出があったからです。十何億の人が
食べられるようになったのは、進出した民間の人が現地の人に仕事を与えたことが大きい。
今度はアフリカの番です。最初、仕事はしにくいかもしれないけど、人材を育てながら進めていけば、
ゆくゆくは財産になると思いますよ。
清水 日本政府はどんな支援をしたらいいのでしょうか。
チャン アジアでやってきたように道路や橋、水道の整備をやっていくのもいいと思います。でも、
それと同時に、義務教育を導入しましょうとか、学校を建てましょうとか、セットでやっていけば
いいでしょう。
政府開発援助(ODA)の予算があるから使い切るのでなく、細かく支援をすべきです。若者が技術を
持って農村に行く。国連平和維持活動(PKO)よりは絶対、貢献できると思います。
>>2に続く
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