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★親友に車貸し、殺人起きたら無期懲役~米国の刑法は本当に正当か
重犯罪では共謀者も犯罪者と同じ罪を問われるという米国特有の刑法理念が、議論の的になっている。
ニューヨーク・タイムズによると、2003年3月10日の早朝、当時20歳だったライアン・ホールさんは
フロリダ州クロフォードヴィルで、それまで何度もしていたように自分の車をルームメイトに貸した。
そのルームメイトは、3人の男とともにマリファナ販売人の家にある金庫を盗もうとして乱闘になり、
そのうちの1人が販売人の娘、ジェシカ・スナイダーさん(18)の頭部をその場にあった銃で殴って
死なせた。
事件当時、現場から遠く離れた場所で酒を飲み酔っぱらっていたホールさんは、その後、重犯罪では
共謀者も犯罪者と同じ罪を問われるという米国特有の刑法理念に基づき、第1級殺人で起訴され
有罪評決を受けた。「車がなければ彼女は殺されずに済んだ」と検事は主張した。
法学者によると、その理念は、英国習慣法に基づく重犯罪殺人規定の上に成り立っているが、英国
議会は1957年に無効にしている。1990年にはカナダ最高裁も、倫理的責任の度合いによって刑罰は
決められるべきという基本的原理に反すると判断し、同規定を無効にした。
しかし、米国の多くの検事や遺族の権利擁護団体は、共謀者を犯罪者と同等に罰することが適切だと
主張する。FBIの統計によると、2006年に起きた殺人事件の16%は、重犯罪(殺人、強盗、誘拐、
強姦)の中で起きている。共謀者が殺人罪で起訴された割合は不明だが、重犯罪殺人規定は全米
30州で一般的に適用されている。殺人を犯してなくても共謀者という理由だけで、過去30年間に
約80人が死刑の評決を受けている。
スナイダーさんを殺害したチャールズ・ミラー・ジュニア被告は、死刑を求刑されたが、無期懲役の
評決を言い渡された。ルームメイトのウィリアム・アレン被告に車を貸したホールさんと、ジェシカさんの
頭蓋骨を砕いた殺人犯が同じ量刑を受けたことになる。
ホールさんにはそれまで犯罪歴はなく、ただ「俺の車を使えばいいよ」と言っただけだ、と無期懲役の
評決を言い渡されたアレン被告は証言した。現在25歳になるホールさんは「金庫を盗みに行くと
聞いた時は冗談だと思った」「実際には食べ物でも買いに行くのかと思っていた」と話している。
更新2007年12月05日 18:43米国東部時間
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