08/08/31 11:52:01
■マンガで韓国と日本を繋ぐ ~ 韓日の漫画家が作品集『海峡の向こうに』出版
韓国と日本の漫画家らが、マンガを通じて「近くて遠い」両国の距離を短くするための小さな努力を
始めた。両国の漫画家14人の作品をまとめた『海峡の向こうに』が最近出版された。韓国からは金
童話・李賢世・黄美那などの6人、日本からは女流漫画家の里中満智子や、我が国にも多くのファン
を持つ『ハリケーン・ジョー』のちばてつやなど8人が参加した。
作品集には「海峡を挟んだ韓国と日本」という大きいテーマを扱ったマンガ14編が収録され、韓国版
の出版と同日に日本の双葉社からも同じタイトルで日本版が出版された。
里中は共同作品集について、「国境や民族の差を超えて漫画家たちが一つのテーマを描く短編集は、
必ず実現したい念願だった」と語った。
両国の漫画家らは、海峡をはさむ韓日の関係について断絶や交流をテーマにするという原則の他は
具体的素材等に関する一切の制約なく、両国関係に対する自分の考えを自由に絵の中に展開した。
金童話の『花の墓』は、日本軍慰安婦問題を素材にしている。満開の桜を見て楽しむ人々の中で、
見窄らしい姿のハルモニが「汚くて悲惨で身の毛がよだつ夢」を語る。勤労報国隊として連れて行か
れた父親を捜すために挺身隊に志願するしかなかった辛い経験は、ハルモニにとっては一生自分に
付きまとう「最悪の悪夢」に他ならなかったのだ。生涯自分を苦しめる記憶に対してハルモニは、散り
舞う桜を背景に、「いつかその日が、朝が来ても私が目を開けないその日が来れば、その時やっと
この夢から覚めるのかな」と静かに語る。
里中満智子の『同級生』は、日本の女子高校生の目に映った在日韓国人たちの姿を描いた作品だ。
家族と一緒に北朝鮮に帰った友達と、自分が朝鮮人であることを隠して生きて行く友達、そして在日
韓国人を好きになった主人公の少女の話が、重くないながらも真剣に描かれる。
河承男(ハ・スンナム)と木村直巳は、安重根を素材にしたマンガを並んで描いた。河承男は「東洋の平和
のために」という安重根の人生を客観的に描き、木村直巳の「烈士のウリ」は日本人の視点から安重
根の姿を描く。
この他、両国の引きこもりを描いた尹胎鎬(ユン・テホ)の「向こう側」と、李賢世に献呈された日野日出志
の「韓国のサムライ」など、多様な素材で両国の関係を表現したマンガが収録されている。
韓国漫画家協会の会長を務める金童話は、「随分以前、里中先生から韓日両国の漫画家が集まって
韓国と日本、日本人と韓国人を素材にしたマンガを描いてみようという提案を受け、ようやく実を結ん
だ。作品集を出すことで両国の漫画家同士の理解と信頼の深くなったように、この本を読んだ両国の
読者も韓国と日本、日本人と韓国人に対する理解と信頼が一層深まることを期待する」と語った。
出版社側は、「韓日両国の漫画家が企画した最初の作品だという点に意義がある。韓国と日本の
漫画家たちが一緒に意見を交換して努力したという大きい意味が込められている」と説明した。
▽ソース:聯合ニュース(韓国語)(2008/08/31 09:20)
URLリンク(www.yonhapnews.co.kr)
▽双葉社の公式サイトにある『海峡の向こうに』の紹介ページ:
URLリンク(www.futabasha.co.jp)
参加者: 里中満智子、水島新司、バロン吉元、畑中純、倉田佳実、木村直巳、日野日出志、ちばてつや